大手取引所のBybitでは、保有している通貨を預け入れることで資産運用ができるサービスを提供しています。
以前までは「ByFiセンター」という名称でしたが、現在は「Bybit資産運用」という名前に変わり、プロダクトの種類やサービス内容も変更になりました。
ただ、Bybit資産運用では計5種類のプロダクトがあり、それぞれで仕組みや年間利回りは異なります。
とくに初心者の場合は、各プロダクトの仕組みや条件を把握するだけでも大変なので、自分はどれに参加するべきなのか迷いますよね。
そこで本記事では、Bybit資産運用で参加できるプロダクトのメリット・デメリットや、利用方法を解説します。
なお、この記事は2022年7月25日時点での情報です。
- Bybitステーキング:特定の銘柄を預け入れるだけで資産の保有枚数を増やせる、リスクの低い運用方法
- 流動性マイニング:AMMに流動性を提供して利益を得る方法で、レバレッジをかけた運用が可能
- デュアル資産投資:決められた銘柄の決済時価格によって、受け取る通貨が変わる
- ローンチプール:特定銘柄をステーキングすると、新しいトークンを受け取れる
- DeFiマイニング:ステーブルコインを預け入れて報酬をもらう
この記事を読めば、Bybitでトレード以外の収益も得られるようになります。
本格的に稼ぎたい人は必ず最後まで読んでくださいね。
目次
Bybit資産運用とは?
Bybit資産運用とは名前の通り、自分が保有している仮想通貨を使って、資産を増やせるサービスのことです。
少し前までは「ByFiセンター」という名称でしたが、2022年3月以降は現在の「Bybit資産運用」に名前が変わり、一部プロダクトの名称や内容も変わりました。
サービスはBybitが独自に提供しており、低リスクで資産を増やせるステーキングの他、上級者向けの流動性マイニングやデュアル資産投資などもあるのが特徴です。
各プロダクトによってAPY(年間利回り)は異なり、場合によっては100%以上のAPYに設定されていることもあります。
Bybit資産運用のプロダクト5種類を詳しく解説
それでは、Bybit資産運用で参加できる5種類のプロダクトを順番に紹介します。
Bybitステーキング
Bybitステーキング | ※2022年7月25日現在 |
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おすすめ度 | ★★★★★ |
利率 | 1~999% |
Bybitステーキングは、特定の銘柄をBybitに預け入れると、元本が保証された状態で利回りを得られるプロダクトです。
ステーキングの対象通貨や利率はさまざまで、期間限定の銘柄もあります。
一度預け入れた通貨は解除ボタンを押せば、いつでも払い戻しが可能です。
記事執筆時点だと、以下の銘柄は常時扱われています。
- BTC
- ETH
- USDT
- DAI
その他の銘柄は短期、もしくは長期の期間限定になっていることが多いです。
Bybitステーキングのメリットは、保有している銘柄をただ預けるだけで資産を増やせる点。
面倒な売買や操作は必要なく、簡単に利回りを獲得できます。
他の取引所で行われているステーキングでは、一度預けた通貨は一定期間が経つまでステーキングを解除できない場合がほとんどです。
一方、Bybitではいつでもステーキングの解除ができるので、気軽に利用しやすいという利点もあります。
ただし、BTCやETHといったボラティリティ(価格の変動率)の大きい通貨を預け入れる場合、ステーキング中に価格変動が起きやすいのはデメリットです。
預け入れた銘柄が暴落しているときは、ステーキングしたままの状態だと損失が出る可能性もあるので、相場状況を見つつ臨機応変な対応が必要になります。
流動性マイニング
流動性マイニング | ※2022年7月25日現在 |
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おすすめ度 | ★★ |
利率 | 3.4~37.6% |
流動性マイニングは、AMM(自動マーケットメーカー)というシステムをもとに資産を増やすプロダクトです。
AMMとは、中央管理者のいないDEX(分散型取引所)において、自動で取引ができるように開発されたシステムのこと。
AMMでは、プールという場所にユーザーが資金を提供することで、通貨の流動性や価格が確保されます。
流動性マイニングでは、Bybitを仲介にして上記のようなAMMに流動性を提供すると、そこで発生する取引手数料を収益として獲得できる仕組みです。
メリットとしては、預け入れる資産に最大3倍のレバレッジをかけて運用できる点が挙げられます。
保有している資産以上の金額で流動性を提供するため、より効率のいい資産運用が可能です。
ただ、レバレッジをかけて流動性を提供する場合は、強制決済システムが適用されます。
万が一預け入れている通貨の価格変動により強制決済になると、損失が出る可能性も。
強制決済になりづらいようレバレッジは最大でも3倍に設定されていますが、それでも他の資産運用サービスに比べるとリスクはやや高めです。
デュアル資産投資
デュアル資産投資 | ※2022年7月25日現在 |
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おすすめ度 | ★★★ |
利率 | 118.41~721.19% |
デュアル資産投資は、特定の通貨をBybitに預け入れると、ステーキング報酬と一緒に元本が戻ってくるというプロダクトです。
ただし、各通貨ペアごとに年利と決済までの期限が設定されており、決められた通貨の決済時価格によって、受け取れる通貨が変わります。
たとえば何かの銘柄とUSDTペアでUSDTを預け入れた場合、以下のようになる仕組みです。
決済時刻にステーキングしたときよりも価格が上昇していた場合は、預け入れた金額ぶんのUSDTと、ステーキング報酬のUSDTを受け取ります。
決済時に価格が下がっていた場合、預け入れた金額をBTC・ETH・BITなどUSDTではない通貨で受け取り、ステーキング報酬もそれら別の通貨で獲得するシステムです。
簡単にいうと、価格の上昇を当てれば高利回りが期待できるプロダクトということですね。
通貨を預け入れる期間は、基本的に1日・3日・5日のいずれか選べます。
他のプロダクトよりもステーキング期間が短いぶん、利回りも高く設定されているため、価格変動の少ない市況でも効率よく利益を狙えるのがメリットです。
その反面、決済時に価格が下落したときはその値下がり通貨で元本と報酬を受け取ることになるので、損失が出る可能性が高くなります。
ローンチプール
ローンチプール | ※2022年7月25日現在 |
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おすすめ度 | ★★★★ |
利率 | 60% |
ローンチプールは、特定の銘柄をステーキングすることで新規上場したトークンを受け取れるプロダクトです。
最初に紹介したBybitステーキングと仕組みは似ていますが、ローンチプールではそれまでになかった新しいトークンを報酬としてもらえるのが特徴。
預け入れた通貨が減ることはなく、いつでも解除が可能です。
そのため、低リスクで資産を増やしたい初心者でも利用しやすいでしょう。
ほとんどの場合はBITというトークンを預け入れますが、それ以外の通貨でステーキングすることもあります。
受け取れるトークンは時期によって変わるので、その都度確認が必要です。
ただし、一般的なステーキングと同じく、預け入れる通貨が値下がりした場合、損失のリスクも増えます。
預け入れている通貨が大きく値下がりしそうな場合は、一旦ステーキングを解除して様子をうかがうなど、自分で判断しつつ対応しなければなりません。
DeFiマイニング
DeFiマイニング | ※2022年7月25日現在 |
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おすすめ度 | ★★★★ |
利率 | 5~6% |
DeFiマイニングでは、Curve FinanceというDEXに流動性を提供することで、その見返りとして報酬をもらえます。
仕組み自体は流動性マイニングとほぼ同じですが、DeFiマイニングは主にUSDTというステーブルコインを預け入れるのが特徴。
※ステーブルコインとは:米ドルに価格が連動するよう設計されている通貨
これはCurve Financeが、ステーブルコインをメインに扱っているDEXだからです。
DeFiマイニングをした場合、Curve Financeの独自トークンであるCRVやその他の手数料を報酬として受け取ります。
ステーブルコインはほとんど値動きがないので、DeFiマイニングに預けている期間中、価格変動によるリスクを負う可能性が低いのがメリットです。
ただし、リスクが低いぶん他のプロダクトよりもAPYは低い傾向にあります。
また、一度預けた通貨は一定期間が経つまで解除ができないため、万が一通貨の価格変動が起きた場合、損失になる可能性もゼロではありません。
Bybit資産運用を利用するための事前準備
ここからは、Bybit資産運用の利用方法を見ていきましょう。
まずは、資産運用のために必要な事前準備を紹介します。
Coincheckで送金用の仮想通貨を購入
Bybitで資産運用をするには、元金となる資金をBybitに送金しなければなりません。
運用資金を準備していない人は、はじめにどこかの取引所で仮想通貨を購入する必要があります。
利用する取引所はどこでもOKですが、とくにこだわりがなければ、多くの日本人が利用しているCoincheckがおすすめです。
Coincheckでは日本円を入金したあと、販売所・もしくは取引所で送金用の仮想通貨を購入してください。
購入する通貨はBTCが無難ですが、送金手数料の安さや送金スピードを重視する場合は、XRPなど他の銘柄を買うのもいいでしょう。
Bybitの口座を開設
Coincheckで資産運用に使う仮想通貨を購入したら、次にBybitの口座を開設します。
Bybitの口座開設方法は以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
なお、Bybit資産運用にあるプロダクトはほとんどの場合、KYC(本人確認)レベル1を完了していないと利用できません。
そのため、口座開設後はIDと顔写真の認証をして、KYCレベルを1以上にしておきましょう。
Coincheckで購入した通貨をBybitに送金
Bybitの口座開設が完了したら、次にCoincheckで購入した仮想通貨をBybitに送金します。
送金手順は以下の通りです。
- Bybitの入金ページで入金用アドレスをコピーする
- Coincheckにログインし、該当銘柄の送金ページでコピーしたBybitの入金アドレスを貼りつける
- 送付先アドレスと通貨の数量に間違いがないか確認したら送金ボタンをクリック
- Bybitでの着金を確認
Bybit側では資産メニューから現物の画面を開き、以下のページにある「Deposit(入金)」のボタンを押すと、各銘柄の入金アドレスを表示できます。
なお、送金手続きをする際に送り先のアドレスを間違えると資産を失う可能性があるので、入力ミスのないよう気をつけてくださいね。
Bybitに着金した通貨を対象銘柄に交換
Bybitで着金が確認できたら、入金した仮想通貨を資産運用のプロダクトで預け入れる通貨に交換する作業が必要です。
たとえば入金した通貨がBTCで、資産運用で預け入れる通貨がUSDTの場合、現物取引の「BTC/USDTペア」でBTCを売却すると、USDTに交換できます。
資産運用でUSDT以外の通貨を預け入れる場合は、以下の手順が必要です。
- 送金した通貨を売却して一度USDTに交換する
- そのUSDTを使い、資産運用でステーキングする銘柄を購入
ちなみにBTCを入金した場合、銘柄によってはBTC建てペアの現物取引をすることで、一度USDTに交換する手間を省略し、そのまま希望する銘柄に交換できることもあります。
仮想通貨で本格的に収益を得たいならBybit資産運用を利用しない手はありません。
Bybit資産運用を利用するにはBybitの登録が必須となりますので、まだお持ちでない方は今のうちに開設しておきましょう。
Bybit資産運用の参加方法・やり方
それでは、実際にBybit資産運用に参加する方法も見ていきましょう。
各プロダクトによって細かいやり方は異なりますが、今回は例としてBybitステーキングに参加する方法を解説します。
ステーキングの対象銘柄を確認
Bybitステーキングに参加する場合、まずはBybitにログインして、ページ上部の「Earn」にある「Bybit Savings」のボタンをクリックします。
そうすると以下のようにステーキング可能な銘柄の一覧が表示されるので、年利や期間を確認し、預け入れたい通貨を探します。
ページを下にスクロールすると、ステーキング対象になっているすべての銘柄を表示することも可能です。
ステーキングボタンを押して、預け入れる通貨の数量を入力
ステーキングする銘柄を決めたら、その通貨の画面で「Stake Now」のボタンを押します。
たとえばUSDTをステーキングする場合、Stake Nowをクリックすると以下のような画面が表示されるはずです。
条件に問題なければ「Amount」の欄に、預け入れるUSDTの数量を入力します。
あとは同意事項にチェックマークを入れて下にあるStake Nowのボタンを押せば、ステーキング完了です。
払い戻しボタンを押して解除
ステーキングした通貨の払い戻しをする際は、先ほどのステーキングページに戻り、ページ右上にある「Order History(注文履歴)」をクリックします。
以下のステータスページが開いたら、ステーキングしている銘柄の項目を左にスクロールして「Unstake」のボタンを探してください。
Unstakeをクリックすると以下の画面が表示されるので、解除したいUSDTの数量を入力しましょう。
最後にUnstakeボタンを押せば、入力したぶんのUSDTが払い戻されます。
ちなみに、一度ステーキングした通貨は一定期間が経つまで解除できないプロダクトもあるので、詳しい条件はそれぞれの資産運用ページで確認してみるといいでしょう。
Bybit資産運用のよくある質問
ここからは、Bybit資産運用に関するよくある質問をQ&A形式で紹介します。
初心者におすすめなプロダクトはどれですか?
初心者におすすめなのは、Bybitステーキングとローンチプールです。
これら2つのプロダクトは他よりもリスクが低いため、資産運用に慣れていない人でも比較的気軽に参加できます。
資産運用のやり方や仕組みに慣れてきたら、高利回りが期待できる他プロダクトへの参加も検討してみるといいですよ。
Bybit資産運用の履歴や収益の確認方法は?
Bybit資産運用の履歴や収益を確認したいときは、資産運用の画面を開き、ページ右上にある「Earn Account(資産アカウント)」のボタンを押してください。
そうすると、Bybit資産運用で参加しているプロダクトの一覧や収益が確認できます。
もしくは、参加方法の項目で紹介したステータス画面でも、各プロダクトの利益や収益といった詳細をチェック可能です。
Bybit資産運用で儲かった場合、税金はかかりますか?
Bybit資産運用で儲かった場合、基本的にはすべての収益に税金がかかります。
仮想通貨の税金システムは非常に複雑なので、詳しくは税理士や専門家に相談してみるといいでしょう。
以下の記事も参考にしてみてください。
Bybit資産運用のプロダクトは複利運用できるものはありますか?
Bybit資産運用では、収益自体が勝手に追加の利回りを生み出すような、自動の複利運用に対応しているプロダクトはありません。
ただし、獲得した収益を手動で再投資し、複利的に運用することは可能です。
Bybit資産運用のプロダクトに投資する際、最低ステーキング額はありますか?
Bybit資産運用は、各プロダクトや預け入れる銘柄によって最低ステーキング額が決められています。
たとえばBybitステーキングでUSDCのステーキングをする場合、最低預け入れ額は20USDCです。
最低ステーキング額はプロダクトによって異なるので、詳細は各ページでチェックしてみてください。
Bybit資産運用は誰でも参加できますか?
Bybit資産運用は、最低ステーキング額や対象銘柄の保有など、各条件を満たしていれば誰でも参加可能です。
ただし、KYCレベル1を満たしていない人や、法人アカウントの場合は参加できないこともあります。
まとめ
Bybit資産運用は、ステーキングや流動性マイニングといった各プロダクトで特定の通貨を預け入れることにより、資産を増やせるサービスです。
プロダクトごとにステーキングする銘柄や利率は異なりますが、資産運用の経験があまりない初心者には、比較的低リスクなBybitステーキングとローンチプールがおすすめ。
資産運用に慣れてきたら、リスクはあるものの高利回りが期待できる、他プロダクトへの参加も検討してみるといいでしょう。
なお、資産運用をするにはBybitの口座開設とあわせて、資金を購入する際に使う他の取引所でも口座開設が必要です。
国内の取引所を利用するならCoincheckがおすすめなので、そちらの口座開設も早めに済ませておくといいですよ。
- Coincheckで仮想通貨を購入し、Bybitに送金
- Bybitで着金を確認したら、送金した通貨を資産運用で預け入れる銘柄に交換する
- 各プロダクトの条件と対象銘柄を確認
- 預け入れる通貨の数量を入力してステーキング開始
Bybitの口座開設方法がわからない方は以下の記事を参考にしてください。
画像付きで分かりやすく解説しています。