海外では大手の取引所として知られるBybit(バイビット)。
そんなBybitと並んで、国内ではCoincheck(コインチェック)という取引所も有名です。
両方とも日本人ユーザーの多い取引所ですが、Bybitは海外の取引所、Coincheckは日本の取引所という大きな違いがあるので、どっちを使うべきか悩んでしまう人も多いはず。
そこで本記事では、BybitとCoincheckを20の項目で比較し、どちらの取引所がおすすめなのかを検証します。
なお、この記事は2022年8月9日時点での情報です。
- 扱っている銘柄の数はBybitが多い
- レバレッジ取引をするのに向いているのはBybit
- キャンペーンやイベントもBybitが充実している
- 取引手数料はCoincheckのほうが安い
- 日本円での管理や入出金がやりやすいのもCoincheck
Bybitとコインチェックの詳しい違いを知りたい人やこれから新しく仮想通貨の取引所に登録しようと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
目次
Bybit(バイビット)とCoincheck(コインチェック)の比較表
はじめに、記事を最後まで読むのが面倒な人は、以下の比較表を参考にしてみてください。
比較項目 | Bybit | Coincheck |
---|---|---|
取り扱い銘柄の種類 | 約200種類 | 17種類 |
最大レバレッジ | 100倍 | レバレッジ取引の対応なし |
1日の取引量 | 約290億円 | 約70億円 |
現物取引の手数料 | ・テイカー:0.1% ・メイカー:0.1% | 無料 |
入金方法 | ・他の取引所から仮想通貨を送金 ・クレジットカード ・デビットカードで入金 ・E-checkというサービスを使った銀行振込 | ・銀行振込 ・コンビニ入金 ・クイック入金 |
入金手数料 | 無料 | ・銀行振込:無料 ・コンビニ入金:770円~ ・クイック入金:770円~ |
送金方法 | 仮想通貨での送金 | 仮想通貨での送金 |
送金手数料 | 各銘柄によって異なる | 各銘柄によって異なる |
資産運用方法 | ・Bybitステーキング ・流動性マイニング ・デュアル資産投資 ・ローンチプール ・DeFiマイニング | ・ステーキング ・自動積立 |
IEO | あり | あり |
日本人の利用 | 可 | 可 |
日本語対応 | あり | あり |
スマホアプリ | あり | あり |
テストネットの有無 | あり | なし |
キャンペーンやイベントの充実度 | ◎ | 〇 |
取引履歴のダウンロード | 可 | 可 |
NFTの対応 | あり | あり |
操作画面の使いやすさ | 〇 | ◎ |
ブログの有無 | あり | あり |
コミュニティ | ◎ | 〇 |
Bybit(バイビット)とCoincheck(コインチェック)を20項目で比較
それではさっそく、BybitとCoincheckを比較していきます。
今回は銘柄数・手数料の高さ・使いやすさなどをはじめ、全20項目で比較してみました。
取り扱い銘柄の種類
まずBybitで扱っている仮想通貨は、約200種類です。
海外取引所のなかでも豊富な銘柄を扱っており、日本ではあまり見ないようなマイナーコインの取引もできます。
Coincheckで売買できる仮想通貨は、合計17銘柄です。
国内にある取引所のなかだと銘柄数は多いものの、Bybitとは10倍以上の差があります。
そのため、取り扱い銘柄の多さを重視する場合はBybitがおすすめです。
最大レバレッジ
Bybitでは、レバレッジをかけたトレードが可能です。
最大レバレッジは100倍に設定されており、上級者でも使いやすいでしょう。
一方、Coincheckでは残念ながらレバレッジ取引自体に対応していません。
少ない資金で大きな利益を狙いたい場合は、Bybitのほうが向いているといえますね。
1日の取引量
CoinMarketCapの情報を参考にすると、Bybitの1日の現物取引量は、記事執筆時点だとおよそ290億円です。
デリバティブ取引に関しては8,000億円以上の取引量があり、CoinMarketCapの独自ランキングでは、世界のトップ10に入ります。
Coincheckの1日の現物取引量は、約70億円です。
日本の取引所のなかではトップクラスの取引量ですが、Bybitに比べると大きく劣ります。
取引所形式で取引する場合、Coincheckの板はやや薄いので、現物の板取引においてより使いやすいのはBybitといえそうですね。
現物取引の手数料
現物取引をする際にかかる手数料は、Bybitのほうはテイカー・メイカーともに一律0.1%です。
海外の取引所では、取引手数料を0.1~0.2%に設定していることが多いため、平均的な割合といえるでしょう。
Coincheckの取引手数料は、販売所と取引所のどちらを使っても無料です。
世界的に見ても取引手数料が無料な取引所は少ないので、取引手数料の安さに関してはCoincheckのほうが優秀といえます。
入金方法
Bybitでは、主に以下の入金方法に対応しています。
- 他の取引所から仮想通貨を送金
- クレジットカード・デビットカードで入金
- E-checkというサービスを使った銀行振込
海外の取引所としては珍しく、E-checkという電子小切手サービスを使えば、日本からの銀行振込も可能です。
Coincheckの入金方法は以下の通り。
- 銀行振込
- コンビニ入金
- クイック入金
一般的な銀行振込やコンビニ入金の他、ネットバンキングやATMからの支払いができるクイック入金にも対応しています。
Bybitでも銀行振込に対応しているので、両者で大きな差はありません。
ただ、他のサービスを経由せず銀行振込ができることや、クイック入金に対応している点を考えると、日本人にとってより使いやすいのはCoincheckといえるでしょう。
入金手数料
Bybitの入金手数料は原則無料です。
ただし、クレジットカードやデビットカードで入金をする際は、各種カード会社・サービスが設定している決済手数料がかかります。
Coincheckの入金手数料はこちらです。
- 銀行振込:無料
- コンビニ入金:770円~
- クイック入金:770円~
コンビニ入金とクイック入金は手数料が必要なものの、銀行振込なら手数料なしで入金できます。
送金方法
送金方法については、どちらも保有している仮想通貨を別の取引所に送るしかありません。
ただし、Bybitのウォレットは日本円に非対応です。
そのため、保有している通貨を日本円に換金したい場合は、一度日本の取引所に送金し、さらに通貨を売却して日本円に換えなければなりません。
Coincheckは日本の取引所なので、持っている仮想通貨を売却すればすぐさま日本円に換金できます。
送金手数料
Bybitの送金手数料は、銘柄によって異なります。
Bybitにログインして各銘柄の出金画面を開くと、以下のようにそれぞれの送金手数料が表示されるので、詳しい手数料が気になる人は確認してみるといいでしょう。
銘柄によっては、送金手数料が無料です。
Coincheckでは以下のように、各銘柄ごとに送金手数料が設定されています。
それぞれの取引所で送金手数料の設定が異なるため比較するのは難しいですが、総合的に見て送金手数料が安いのはBybitのほうです。
資産運用方法
Bybitで利用できる資産運用方法は、主に以下の5種類です。
- Bybitステーキング
- 流動性マイニング
- デュアル資産投資
- ローンチプール
- DeFiマイニング
低リスクで資産運用ができるステーキングの他、レバレッジをかけた運用が可能な流動性マイニングや、上級者向けのデュアル資産投資などもあります。
また、Bybitでは特定の銘柄を預け入れると新しいトークンを無料でもらえる、ローンチプールというプロダクトがあるのも特徴。
ローンチプールのような資産運用サービスを提供している取引所は、海外でもそれほど多くはありません。
Coincheckでは、過去にステーキングサービスを行っていたことはありますが、現時点では停止しています。
ただし、決まった日時に自動で仮想通貨を購入できる、自動積立というサービスは利用可能です。
自動積立はBybitにはないサービスで、仮想通貨をコツコツ購入したい人には向いています。
以上のことを踏まえると、いろいろな方法で資産運用したいならBybit、毎月少しずつ積み立てをしたいならCoincheckがおすすめです。
IEO
IEOとは、取引所を介して新しいプロジェクトのトークンを販売する、トークンセールイベントのことです。
Bybitではローンチパッドという名称で、定期的にIEOイベントを実施しています。
海外取引所のなかでも、Bybitがローンチパッドを開催する頻度は非常に多く、新しい銘柄に投資するにはうってつけです。
Coincheckでも2021年に日本ではじめてIEOを行いましたが、Bybitのように頻繁には開催していません。
そのため、IEOに参加して利益を狙いたい場合は、CoincheckよりもBybitに注目しておくのがおすすめです。
日本人の利用
BybitとCoincheckは、どちらも日本人の利用は可能です。
ただ、Coincheckは日本の金融庁に登録済みですが、Bybitは海外取引所ということもあり、金融庁には登録されていません。
金融庁に未登録でも、現状はとくに問題なく使えるので、それほど気にする必要はないでしょう。
しかし、過去には日本の金融庁から警告を受け、日本人向けサービスの提供を停止した海外取引所もあります。
そのため、Bybitが金融庁に警告され、日本人に向けたサービス内容の変更や停止をする可能性もゼロではありません。
そういった点を考えると、日本人がより安心して使えるのはCoincheckといえそうですね。
日本語対応
BybitとCoincheckは、両方とも日本語に対応しています。
Coincheckは日本の取引所なので当然ですが、海外取引所のBybitも日本語表示が可能です。
しかも、Bybitの公式サイトにある記載や操作説明は、海外の取引所とは思えないほどネイティブに近い日本語で表示されています。
そのため、日本語対応の有無やわかりやすさについては、どちらの取引所も遜色ないといえるでしょう。
スマホアプリ
BybitとCoincheckは、両方とも専用のスマホアプリがあります。
それぞれAndroidとiPhone向けアプリをリリースしているので、スマホアプリの有無に関してはどちらも差がありません。
テストネットの有無
Bybitには、テストネットを使ったデモ口座があります。
仮想通貨取引に慣れていない人や、Bybitを使うのがはじめての人は、テストネットを利用してレバレッジ取引の練習が可能です。
Coincheckではテストネットはなく、登録後は手元にある実際の資金をいきなり使って仮想通貨投資を始めることになります。
まずはテストネットで練習をしたい場合は、Bybitを使うのがおすすめです。
キャンペーンやイベントの充実度
Bybitは定期的に、各種タスクをクリアするとボーナスがもらえるキャンペーンを実施しています。
特定の資産運用に参加するとボーナスがもらえたり、決められた通貨の取引をすると特典を獲得できたりなど、キャンペーンの種類も豊富です。
Coincheckも時期によっては、口座開設や入金を完了することで仮想通貨がもらえるキャンペーンを行っています。
それぞれ実施しているキャンペーンの種類や時期が異なりますが、キャンペーンの種類自体は、Bybitのほうがやや多いです。
イベントに関しても、Bybitはローンチパッドの他、不定期開催のトレードバトルや抽選会などさまざまな催しがあります。
CoincheckではIEOを除くと、特別なイベントはあまり開催していません。
そのため、キャンペーンやボーナスの充実度は、Bybitのほうが優秀といえるでしょう。
取引履歴のダウンロード
取引履歴は、BybitとCoincheckどちらでもダウンロードできます。
Bybitではトップページの右上にある「Orders」メニューから注文履歴のページを開き、期間を設定して「Export」をクリックすれば、履歴をダウンロード可能です。
Coincheckの場合は、アカウント画面にある「取引履歴」の画面を開き、該当年度の「ファイル作成」ボタンをクリックすれば、履歴をダウンロードできます。
NFTの対応
Bybitには専用のNFTマーケットプレイスがあります。
マーケットプレイス画面を開くと、NFTの確認や売買も可能です。
Coincheckでも、Coincheck NFTという独自のマーケットプレイスを利用できます。
現状ではβ版ではあるものの、Coincheck LANDやThe Sandboxをはじめとする各種NFTの取引も可能です。
操作画面の使いやすさ
Bybitでは、以下のようなチャート画面を採用しています。
海外の取引所にしてはシンプルなUIで使いやすさにも定評があるので、ある程度慣れてくれば問題なく操作できるでしょう。
ただし、指値注文や条件付き注文といった上級者向けの注文方法や、豊富なインジゲーターがあるため、初心者だと操作方法で若干戸惑う可能性もあります。
Coincheckの基本的なチャート画面はこちらです。
Bybitのように複雑な注文方法はなく、希望価格と数量を入力するだけで簡単に注文できます。
販売所形式の画面では、さらにシンプルな方法で仮想通貨の売買が可能です。
単純な使いやすさで比較した場合、初心者にとってはCoincheckのほうがやや使いやすいでしょう。
ブログの有無
BybitとCoincheckは、双方とも公式ブログがあります。
それぞれのブログでは、新しく始まったキャンペーン情報やトークンの上場ニュース、アップデートなどを掲載しています。
各取引所の使い方や基本操作に関する記事もあるので、気になる人はチェックしてみるといいですよ。
コミュニティ
TwitterやDiscordをはじめとするコミュニティの人数も比較してみます。
Bybitのコミュニティ人数はこちらです。
Coincheckのコミュニティ人数は以下の通り。
Bybitは世界でも大手の取引所なだけあり、国内の取引所とは比べ物にならないほど多くのフォロワーがいますね。
また、DiscordやTelegramといったツールにも世界中のユーザーが参加しています。
一方のCoincheckは、国内にある他の取引所に比べるとフォロワー数は多いものの、Bybitには及びません。
公式DiscordやTelegramもないため、コミュニティが充実しているのはBybitといえそうです。
Bybit(バイビット)とCoincheck(コインチェック)はどっちがおすすめ?
ここまでの内容を踏まえて、Bybitがおすすめな人とCoincheckがおすすめな人をそれぞれまとめました。
Bybit(バイビット)がおすすめな人
以下の条件に当てはまる人には、Bybitがおすすめです。
- いろいろな銘柄で取引したい人
- 高倍率のレバレッジをかけてトレードしたい人
- より取引量の多い取引所を使いたい人
- 資産運用サービスも利用したい人
- IEO(ローンチパッド)に参加したい人
とくに銘柄数の多さを重視する人や、ハイレバレッジでのトレードをしたい人は、Bybitのほうが向いているでしょう。
自由度の高い取引をしたいならBybitがおすすめ。
海外取引所ならではのメリットがたくさんありますよ。
Coincheck(コインチェック)がおすすめな人
下記のような人は、Coincheckを使うのがおすすめです。
- 初心者でも使いやすい取引所がいい人
- 日本円での管理ができる取引所を使いたい人
- 取引所と銀行間で直接日本円の入出金を行いたい人
- 取引手数料の安さ(板取引)を重視している人
- 金融庁に登録済みの取引所を利用したい人
CoincheckはBybitよりもさらに操作方法がシンプルでチャート画面も見やすいため、初心者が使うにはうってつけです。
また、日本円で管理しながら取引をしたい人や、日本円の入出金が簡単な取引所を使いたい人にも、Coincheckが適しています。
「まだ仮想通貨に不安がある…」という人は、まずはコインチェックでデビューし、慣れてきたらBybitで取引すると良いですよ。
【迷ったら】Bybit(バイビット)とCoincheck(コインチェック)の両方に登録するのがおすすめ!
BybitとCoincheckはそれぞれ利点や強みがあるので、必ずしもどちらか一方のみを選ぶ必要はありません。
2つとも登録しておけば、投資によって利益を得るチャンスが増えるだけでなく、自分のトレードスタイルや市況に応じて使う取引所を変えることもできます。
たとえば普段はCoincheckを使い、特定の銘柄でのトレードやレバレッジ取引をしたいときはBybitを使う、といったことも可能です。
どちらも簡単に登録できるので、迷ったときは両方の取引所で口座開設をしておくといいですよ。
まとめ
今回BybitとCoincheckを比較した結果、取り扱い銘柄の多さ・レバレッジ取引の有無や倍率・取引手数料の安さなどで差がありました。
とくにBybitは海外の取引所ということもあり、Coincheckに比べると豊富な銘柄での売買や、高い倍率でのレバレッジ取引ができるのが強みです。
Coincheckは操作画面がシンプルで使いやすく、さらに日本円での管理や入出金が簡単というメリットがあります。
それぞれの取引所で特徴や利点が異なるため、迷ったときは両方の取引所に登録しておくといいでしょう。
- 初心者が使いやすいのはCoincheckだが、取り扱い銘柄の種類はBybitが圧倒的に多い
- Coincheckのほうが取引手数料が安いものの、レバレッジ取引をするならBybitの登録が必須
本格的な仮想通貨の投資を始めるならそれぞれの強みを活かせるよう、Bybitとコインチェックの両方を使うこともぜひ検討してみてくださいね。