海外にある取引所のなかでも、日本人からの人気が高いBybit(バイビット)。
BitMEX(ビットマックス)という海外取引所も、少し前までは多くの日本人に支持されていました。
ただ、これらの取引所を使ったことがない人からすると「それぞれどんな違いがあるんだろう?」「自分はどっちの取引所を使うべき?」といった疑問がありますよね。
そこで本記事では、BybitとBitMEXを22の項目で比較し、どちらがおすすめなのかを徹底検証します。
なお、この記事は2022年8月27日時点での情報です。
- 取り扱い銘柄の数が多いのはBybit
- Bybitのほうが資産運用方法の種類も豊富
- Bybitは日本人でも問題なく利用できる
- 独自トークンを発行しているのはBitMEX
- BitMEXは日本居住者の登録や利用を禁止している
この記事を読めば、BybitとBitMEXの違いが明確になり、自分にぴったりな取引所がわかります。
ぜひ最後まで目を通してくださいね。
目次
Bybit(バイビット)とBitMEX(ビットメックス)の比較表
一つひとつの項目に目を通すのが面倒な人は、以下の比較表を参考にしてみてください。
比較項目 | Bybit | BitMEX |
---|---|---|
取り扱い銘柄の種類 | 約200種類 | 約40種類 |
最大レバレッジ | 100倍 | 100倍 |
1日の取引量 | 約280億円 | 約13億円 |
独自チェーン | なし | なし |
独自トークン | なし | あり |
現物取引の手数料 | ・テイカー:0.1% ・メイカー:0.1% | ・テイカー:0.1% ・メイカー:0.1% |
デリバティブ取引の手数料 | 取引内容やVIPレベルによって異なる | ・テイカー:0.075% ・メイカー:0.01%、 |
入金方法 | ・他の取引所から仮想通貨を送金 ・クレジットカード ・デビットカードで入金 ・E-checkというサービスを使った銀行振込 | 他の取引所から仮想通貨を送金(BTCのみ) |
入金手数料 | 無料 | 無料 |
送金方法 | 仮想通貨での送金 | 仮想通貨での送金(BTCのみ) |
送金手数料 | 各銘柄によって異なる | 無料(マイナーに払うトランザクション料はユーザー負担) |
資産運用方法 | ・Bybitステーキング ・流動性マイニング ・デュアル資産投資 ・ローンチプール ・DeFiマイニング | ステーキング |
日本人の利用 | 可 | 日本居住者は不可 |
日本語対応 | あり | あり(一部のみ) |
スマホアプリ | あり | あり |
キャンペーンやイベントの充実度 | ◎ | × |
取引履歴のダウンロード | 可 | 可(詳細は要確認) |
NFTの対応 | あり | なし |
カスタマーサポート | あり | あり |
操作画面の使いやすさ | ◎ | 〇 |
ブログの有無 | あり | あり |
コミュニティ | ◎ | 〇 |
Bybit(バイビット)とBitMEX(ビットメックス)を22項目で比較
それではさっそく、BybitとBitMEXを比較していきます。
今回は取扱い銘柄の多さ・手数料・日本人が利用できるかどうかという点をはじめ、全22の項目で比べました。
取り扱い銘柄の種類
Bybitでは、約280種類の仮想通貨を扱っています。
海外取引所のなかでも、取扱い銘柄の数は比較的多めです。
BitMEXでは現物取引とデリバティブ取引をあわせると、およそ40種類の銘柄で取引できます。
海外取引所としては、やや少なめの数です。
比較すると、マイナーなアルトコインでトレードしたい場合はBybitのほうが使いやすいでしょう。
最大レバレッジ
BybitとBitMEXは、どちらも最大レバレッジは100倍です。
それぞれ銘柄ごとに設定できる最大レバレッジが異なるので、詳細は各公式サイトを確認してみてください。
1日の取引量
CoinMarketCapの情報を参考にすると、記事執筆時点におけるBybitの1日の取引量は約280億円です(現物取引の場合)。
BitMEXの取引量は、およそ13億円でした。
より取引量が多く板も厚いのは、Bybitといえそうですね。
独自チェーン
BybitとBitMEXは、両方とも独自チェーンはありません。
ただ、海外では独自チェーンを展開している取引所は多くあるので、今後BybitやBitMEXが同じように独自チェーンを開発する可能性はあります。
独自トークン
Bybitでは、取引所独自のトークンは発行していません。
ただし、BITというトークンがBybitで行われる各種イベントやトークンセールの基軸通貨になっており、実質的な独自トークンに近い機能を持っています。
BitMEXは、BMEXという独自トークンを発行しているようです。
BMEXをステーキングすると報酬がもらえたり、手数料が割引になったりなどのメリットがあるとのこと。
しかし、市場環境が好ましくないことを理由にBMEXの上場は延期されたようで、現時点だとまだ実際の売買はできません。
現物取引の手数料
Bybitの現物取引手数料は、一律で0.1%です。
なお、Bybitでは取引高に応じてVIPランクというものがあり、ランクレベルが上がれば上がるほど、手数料は安くなります。
BitMEXの現物取引の手数料も、テイカー・メイカーともに0.1%です。
こちらは取引量の多さとBMEXのステーキング数量によって、手数料が割引になります。
BybitとBitMEXは両方ともベースとなる手数料の割合は同じなので、よほど大きな金額で売買しない限り、極端な違いはないと判断できるでしょう。
デリバティブ取引の手数料
Bybitでは銘柄ごとに、デリバティブ取引の手数料が決められています。
具体的な手数料は次の通りです。
- USDT無期限契約:メイカー0.075%、テイカー0.01%
- USDTインバース契約:メイカー0.06%、テイカー0.01%
- USDCオプション取引:メイカー0.03%、テイカー0.03%
また、デリバティブ取引に関しても、VIPランクが上がるごとに手数料が安くなります。
BitMEXのデリバティブ取引手数料は、メイカーが0.01%、テイカーが0.075%です。
こちらも取引高やBMEXトークンのステーキング量によって、手数料がさらに安くなることもあります。
BybitとBitMEXを比較すると、デリバティブ取引の手数料もそれほど大きな差はないといえそうです。
入金方法
Bybitは、主に下記の入金方法に対応しています。
- 他の取引所から仮想通貨を送金
- クレジットカード・デビットカードで入金
- E-checkというサービスを使った銀行振込
E-checkというサービスを使えば、日本の銀行から振込入金も可能です。
他の取引所から仮想通貨を送る場合、Bybit内で使っている通貨であれば、基本的にはほとんどの銘柄で入金ができます。
BitMEXでは、他の取引所から仮想通貨を送る以外に入金方法はありません。
また、入金できる通貨はBTCのみなので、Bybitに比べるとやや不便といえます。
ちなみに、BitMEXでは入出金用の通貨が「XBT」と表示されることがありますが、通貨としてはBTCと同じものです。
入金手数料
BybitとBitMEXは、双方とも入金手数料は無料です。
ただ、送金元の取引所側で送金手数料が発生する場合、そのぶんの料金はユーザー負担になります。
送金方法
BybitとBitMEXはどちらも、保有している通貨を別の取引所に送る処理をすることで送金できます。
Bybitの場合は、取引所内で扱っている通貨であればほとんどの銘柄を送金可能です。
BitMEXは入金する際と同じく、BTCでの送金にしか対応していません。
送金手数料
Bybitでは以下のように、各銘柄ごとで送金手数料が設定されています。
手数料は現物の資産ページを開いて「出金」ボタンを押し、チェーンタイプを選ぶことで確認可能です。
たとえばETHをERC20チェーンで送金する場合、0.0012ETHの送金手数料がかかります。
BitMEXの送金手数料は、原則として無料です。
ただし、マイナーに支払うためのネットワーク手数料はかかります。
資産運用方法
Bybitでは独自のプロダクトを含めて、合計5つの資産運用サービスを利用できます。
- Bybitステーキング
- 流動性マイニング
- デュアル資産投資
- ローンチプール
- DeFiマイニング
特定の通貨を預けるだけでその通貨の数量を増やせるステーキングの他、中・上級者向けのデュアル資産投資やDeFiマイニングにも参加可能です。
また不定期ではありますが、決められたトークンを使って新しく上場するトークンを購入できる、ローンチパッドというイベントを行っていることもあります。
一方のBitMEXでは、USDTやXBT(BTC)を預け入れることで利子を受け取れる、ステーキングのようなサービスを提供しているようです。
ただ、Bybitに比べるとサービス内容やステーキングできる銘柄の種類は少ないので、積極的に資産運用をしたいならBybitを使うのが無難でしょう。
日本人の利用
Bybitは、日本人でも問題なく利用できます。
BitMEXは2020年4月より日本の居住者のアクセスを制限しており、同取引所にはじめて登録する日本の居住者は、基本的に口座開設や取引ができません。
制限のかかっていない国に居住している、もしくはVPNという仮想のネットワークを使い、海外のIPアドレスに変更した状態で登録すれば、利用できる可能性はあります。
しかし、VPNにはセキュリティやネットワークが不安定なものもあり、資金が盗まれたり入出金の途中で資産を失ったりなど、従来の利用方法と比べるとリスクは高めです。
使っている途中で万が一何かのトラブルが発生しても、一切の保証はありません。
そのため、日本に住んでいる日本人であれば、基本的にBitMEXは利用できないと考えたほうがいいでしょう。
日本語対応
Bybitは公式サイトやWebツールの他、メールでの問い合わせにも日本語に対応しています。
自動翻訳レベルではなく、ほぼ完璧に近い日本語での表示が可能なので、日本人でも使いやすいのが特徴です。
BitMEXも一部の表記は日本語に対応していますが、大部分は英語で表示されています。
また、日本語で表示されている箇所も自動翻訳レベルなので、日本人にとってより使いやすいのはBybitといえるでしょう。
スマホアプリ
BybitとBitMEXは、どちらも専用のスマホアプリをリリースしています。
Bybitでは、Webツール版とほとんど同じ機能をアプリでも利用可能です。
BitMEXもアプリの機能はWeb版とだいたい同じですが、日本居住者と判断されるアカウントでアクセスした場合、アプリのダウンロードはできません。
キャンペーンやイベントの充実度
Bybitではタスクを完了するとボーナスがもらえたり、所定の条件を満たすと手数料が割引になったりなど、さまざまなキャンペーンを行っています。
現時点で開催されている代表的なキャンペーンはこちら。
- デリバティブ取引のUSDT無期限契約およびインバース無期限契約で20,000USDT以上の取引すると、8,100USDTの賞金プールから山分けボーナスが配布される
- 指定された3つのタスクをクリアすると、1人あたり最大5USDTがもらえる
- Twitterで所定条件を満たし、期間中に現物でDRIVを1回以上取引すると、抽選で200名に2,100DRIVをプレゼント
上記の他、世界中のトレーダーと利益率を競い合うトレードバトルや、期間限定の各種イベントを実施することもあります。
BitMEXでは、公式サイトで公開されているキャンペーンやイベント情報はありませんでした。
そのため、キャンペーンやイベントに参加したいならBybitがおすすめです。
取引履歴のダウンロード
Bybitでは、取引履歴のダウンロードが可能です。
履歴を確認したいときは、まず注文画面で「Trade History(取引履歴)」のボタンを押し、以下のページを開きます。
次に期間を設定して「seach」を押し、履歴を確認しましょう。
履歴の確認後、ページ右上にある「Export」をクリックすると、指定した期間の取引履歴をダウンロードできます。
BitMEXもCSVファイルで取引履歴をダウンロードできるようですが、現状だと日本居住者はアクセスできないため、詳しいやり方は不明です。
ダウンロード方法の詳細が気になる人は、公式サイトに問い合わせて確認してみるといいでしょう。
NFTの対応
BybitではNFT専用のマーケットプレイスがあります。
公式サイトから直接マーケットプレイスへの移動ができ、NFTの取引も可能です。
BitMEXは取引所のページから直接飛べるマーケットプレイスはなく、取引所を介したNFTの売買もできません。
カスタマーサポート
Bybitは、以下のカスタマーサポートに対応しています。
- メールアドレスによるフォームからの問い合わせ
- ライブチャットツールを使った問い合わせ
ライブチャットツールでは、自動ボットによる24時間対応の質問も可能です。
BitMEXはメールアドレスを使ったフォームからの問い合わせサポートのみ行っています。
なお、どちらの取引所も海外を拠点にしているため、電話でのサポートには対応していません。
操作画面の使いやすさ
現物取引を例にすると、Bybitは次のようなチャート画面を採用しています。
注文方法は成行・指値・条件つきの3つがあり、海外取引所としては標準的な注文スタイルです。
取引方法はいくつか種類があるものの、売買ボタンの表示はわかりやすく日本語表示も可能なので、使い方で困ることはあまりないでしょう。
BitMEXのチャート画面はこちらです。
注文方法は成行と指値の2種類があり、操作方法自体はBybitとあまり変わりません。
ただし、日本語表示ができない場合もあるので、日本人にとってはBybitのほうが使いやすいでしょう。
ブログの有無
それぞれのブログでは、取引所に関する新しいニュース・トークンの上場・アップデート情報などを公開しているので、気になる人はぜひチェックしてみてください。
コミュニティ
取引所に関するコミュニティがどれだけ充実しているかも比べてみます。
Bybitのコミュニティ人数は以下の通りです。
BitMEXのコミュニティ人数はこちら。
SNSやDiscordの参加人数は、全体的にBybitのほうが多いです。
そのため、コミュニティがより充実しているのはBybitといえます。
Bybit(バイビット)とBitMEXは(ビットメックス)どっちがおすすめ?
ここまで紹介した内容を踏まえて、BybitとBitMEXはどちらがおすすめなのかまとめました。
Bybitがおすすめな人
以下のような人には、Bybitがおすすめです。
- 日本人でも問題なく利用できる海外取引所を探している人
- 銘柄数の多い取引所を使いたい人
- キャンペーンやイベントを利用して資産を増やしたい人
BybitはBitMEXのように日本居住者のアクセス制限がないので、日本人でも問題なく登録や取引ができます。
また、取扱い銘柄の種類も多いため、マイナーなアルトコインで取引したい場合でも便利な取引所です。
BitMEX以外の取引所と比べてもBybitは総合的におすすめできます。
登録は無料で3分ほどで完了するので、今のうちに口座開設しておきましょう。
BitMEXがおすすめな人
BitMEXは日本居住者の利用が禁止されているので、基本的には無理に使う必要はありません。
海外の取引所を使いたいときは、Bybitを使うといいでしょう。
どうしてもBitMEXを利用したい人はVPNを契約して登録するのも1つの方法ですが、その場合はすべて自己責任で口座開設をする必要があります。
BitMEXの詳細を知りたい方は公式サイトをご確認ください。
まとめ
今回BybitとBitMEXを比較した結果、銘柄数の多さ・資産運用方法の種類・日本人が利用できるかどうかなどに違いがありました。
全体を通してBybitのほうが優れている部分が多く、日本人が使える機能も豊富です。
一方のBitMEXは日本居住者の登録や取引を禁止していることもあり、あまり利用するメリットはありません。
無理にVPNを使って登録したとしてもリスクが大きいので、何か特別な理由やこだわりがない限りは、Bybitを使うのがおすすめです。
- Bybitのほうが取扱い銘柄が多いものの、独自トークンを発行しているのはBitMEX
- 上記以外の点だとBitMEXを使うメリットはあまりないので、特別な理由がないならBybitを使うのが無難
Bybitの登録でつまずいている方は以下の記事を参考にしてください。
一つ一つの手順をわかりやすく解説しています。